THE SPACE-CAT

-宇宙ねこの逆襲-

美味しいコーヒーを求めて。決まり事に縛られないで本質を知り深く求めること。

YouTubeでドリップコーヒーで検索するといろいろドリップしている動画をたくさん観ることができる。 ここで気になる動画を見つけた。

2015年ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ優勝した高橋由佳さんがパフォーマンスしている動画。


公式映像 2015年ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ優勝 高橋バリスタ

本では学べないハンドドリップの抽出テクニックを惜しみなく話しながらパフォーマンスをしていくんだけど、コーヒー初心者の自分には胸に突き刺さる言葉がありました。以下動画の文字起こしなんだけど、高橋さんのコーヒーに対しての想いが伝わる動画でした。

蒸らし

蒸らしは何㏄で何秒でと聞きますが、そんなルールはありません。

蒸らしのコツはお湯を全体にかけること、そしてしっかりコーヒーを見ること
炭酸ガスの放出とともにコーヒーが膨らんでいきます。
十分に膨らんだ後、しぼみかけたその時が次のお湯を注ぐ時です。

蒸らしを行うのは少量のお湯をコーヒーに触れさせ、炭酸ガスを先にある程度放出させるためです。
これにより炭酸ガスに邪魔されず、コーヒーの成分を取り出しやすくなります。

お湯を注ぐ

蒸らし後はこのように膨らみを保つために、水位を落とさない範囲で出来るだけゆっくりと大きな円を描きながらお湯を注いでいきます。

円を描く際に端までいかないこと。
そして、注ぐのを途中で切らないこと。

端まで行くとコーヒーの層が崩れ、抽出に偏りが出ます。
注ぐのを途中で切らない方が抽出中の温度が安定します。

層の膨らみを保ちつつ、あらかじめ決めておいた量に達するまでゆっくりと注いでいきます。

締めの言葉

何度のお湯で注ぐから、ドリッパーがこれだから、お湯をこう注ぐから美味しい、ペーパードリップはこういうものだ。そうやって自分の中での当たり前で決め付けている部分がたくさんありました。

今回検証を重ねる中でようやく気づくことができました。

あくまでも目的は美味しいコーヒーを作ること。
抽出行程はすべて出来上がったコーヒーの味からさかのぼるべきであること。
今までの凝り固まった考えを捨て、すべてにおいて一から検証し、再構築しました。

改めて自由度の高いハンドドリップの難しさ、不安定さに直面しました。と同時にポイントさえ抑えれば自由に味をコントロールできるハンドドリップの楽しさを改めて体感することができました。

ハンドドリップは抽出しながら、常にコーヒーと向き合い、お客様と向き合う。その日その時の様子を見ながらもっとも美味しく飲んでもらえるように抽出する。そのライブ感こそ一番の楽しさではないかと思います。

なぜその動作をするのか?

以上、動画の文字起こしでした。「蒸らし」「お湯の注ぎ」の仕組みを理解した上での動き。
本やどこかのウェブサイトで見たから、20秒から30秒蒸らしてとかじゃなく、「蒸らし」とはどんな役割なのかを理解しての動き。お湯の注ぎ方も3,4回に分けて注ぐのでなく、水位を落とさない範囲で出来るだけゆっくりと大きな円を描きながらお湯を注ぐのは抽出中の温度を適正に保つため。

動作には理由がある。本やウェブサイトを鵜呑みにせず、なぜその動作をするのか考えてみるのも面白い。
そんな風に考えながらドリップする動画やウェブサイトを見ると、コーヒーで商売している人たちのコーヒー哲学が垣間見れるかもしれない。

終わりに

コーヒー初心者ながらこの動画に早く出会えてとてもよかった。「コーヒーはこう淹れなきゃいけない」じゃなく、「こういう理由があるからこうする」と気づけた。初めは真似事ばかりかもしれないけど、知識を吸収してトライ&エラーをしながらコーヒーを楽しめればいいな。
<メモ>
・出来上がったコーヒーの味から逆算して考える。
・ポイントさえ抑えれば自由に味をコントロールできる。